日本では首都圏に過度に人口が集中している。
団体客中心主義のゆがみもう一つ、日本の観光産業の市場構造と価格構造が非常にゆがんでいることも問題である。
日本では夏休み(お盆)と冬休み(暮れ)のピーク時にお客が集中し、ピ−ク時を過ぎると、観光産業ならぬH閑古鳥産業H と言われるほどに稼働率が低下してしまう。
そのためピ−ク時には予約が取りにくく、価格は高騰し、その挙句どこも混雑しているなど、利用者にとって使い勝手が甚だ悪い。
ピ1ク時以外の稼働率が非常に低いため、経営者の通年利益はあがらない。
つまり日本の観光産業は、需要者も供給者もともに満足できないという奇妙な構造になっているのである。
この原因は団体客中心主義のゆがみにある。
旅館やホテルは稼働率を維持したいため、大手旅行社などの中開業者に低価格でまとめて部屋を提供しているが、利益が出ない。
その一方で、最も大切にすべき自分で電話をかけてくる個人客には高い定価で提供している。
インターネット予約もやらないと時代遅れにみられるというので、インターネット予約用の部屋を五%ほど確保し、二割ぐらい安く提供しているが、実態はお飾りにしかすぎないケースがほとんどであり、戦力化には程遠い状況である。
振るわないインバウンド観光民族航空一辺倒の航空政策日本は対外観光産業も低迷している。
これは、外国の観光客を日本に誘致するインバウンド観光を阻害するいくつかの要因があるからである。
その一つは航空政策である。
日本は島国で外国からの観光客のほとんどは飛行機を利用し、船で来る人はごく少ない。
その場合に日本の観光需要、特に観光のピ−ク時に合わせて常に座席が十分確保できるかどうか、しかも合理的な値段で確保できるかどうかが、外国人観光客誘致の決め手になる。
実態は、ピ−ク時に外国のキャリアーやチャーター便を含めて弾力的に対応できるようにはなっていない。
価格も高く、安い航空券は入手し難い。
日本の圏内航空会社の保護が背景にあるのではないか。
本来の自由競争なら、東京から世界各国へ行くディスカウント・チケットが手に入るはずだが、日本では手に入らない。
夏や冬のピ−ク時に日本の航空会社が満杯になったら外国の航空会社の便が利用できなければならないが、そうした開放を進めると、日本の航空会社が次の機会にお客を失う懸念があるものと推察される。
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